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河口 宗道; 宇埜 正美*
Journal of Crystal Growth, 585, p.126590_1 - 126590_7, 2022/05
過冷却ケイ酸塩,SiO,GeO融液中の11種類の酸化物または混合酸化物の結晶化におけるフェーズフィールド易動度と結晶成長速度をフェーズフィールドモデル(PFM)を用いて計算し、の物質依存性を議論した。実験の結晶成長速度とのPFMシミュレーションから得られた結晶成長速度の比は、両対数プロットで結晶成長における固液界面プロセスののべき乗に比例した。またのパラメータとはmJs,であり、材料に固有の値であることが分かった。決定されたを用いたPFMシミュレーションにより、実験の結晶成長速度を定量的に再現することができた。はにおける単位酸素モル質量あたりの陽イオンモル質量の平均の拡散係数と両対数グラフで比例関係にある。は化合物中の酸素モル質量あたりの陽イオンのモル質量の総和に依存する。では、陽イオンのモル質量が大きくなるにつれては小さくなる。陽イオンのモル質量は陽イオンの移動の慣性抵抗に比例するため、は陽イオンのモル質量の逆数で減少する。の重い陽イオンのケイ酸塩の結晶化では、は約で飽和し、となる。
河口 宗道; 宇埜 正美*
Journal of the Ceramic Society of Japan, 128(10), p.832 - 838, 2020/10
被引用回数:2 パーセンタイル:16.44(Materials Science, Ceramics)本研究では、移動度係数()を新しく定義することで、溶融酸化物系におけるフェーズフィールド法(PFM)の技術を開発した。一定の移動係数を用いたPFM計算から得られた結晶成長速度()は、normal growthモデルの熱力学的推進力と同程度であった。またの温度依存性は、実験から得られた結晶成長速度とから決定し、その決定したを使って、二酸化アルカリケイ酸ガラスのLiO-2SiO, NaO-2SiO, KO-2SiOの結晶成長速度()をシミュレーションした。の温度依存性は定性的および定量的に非常に良く一致したため、本PFM計算はの有効性を実証した。特に、PFM計算によって得られたは、融点()で増大し、-100Kでピークを示した。さらなる温度の下降では、は明確に0msに近づくことが分かった。この振舞いは、界面のジャンプ過程を表現するによってが制限されているためである。のパラメータの感度についてもPFM計算を行い、がからまで増加すると、のピークはより急峻に、ピーク温度は高温側にシフトすることが分かった。アルカリ金属の原子番号が増加するにつれてイオンポテンシャルは減少するので、のパラメータとは、それぞれ指数関数的に増加、直線的に減少することになったと考えられる。本計算によりのとは互いに密接な関係であることが分かった。